About
KOROMOS
Fashion Design Studio / Designer: Kazuya Sase / Based in Tokyo, Japan
What we wear is who we are.
私たちが掲げる「What we wear is who we are(服は私たち自身)」というスローガンには、私たちがどのように生きてきたか、どのような経験をしてきたかが反映されています。そして(服が私たち自身ならば)、その服が行為し、誰かと出会い、季節を感じ、他者や環境に影響され存在するということを、私たちはこの身体を通して知ることができます。こうした身体と衣服の関係を、KOROMOSは探究しています。
私たちは、身体と衣服の関係における情動的なエネルギーを重視しています。そして、一人一人が良い方向に向かっていくためには、「衣食住」といった必要最低限の暮らしの支えが不可欠です。私たちKOROMOSは「衣」の側面から、人間らしい創造性によって、KOROMOSの服を着用する全ての人が人生を謳歌するためのエネルギーを提供し続けていきます。
Perception of Space
身体による周囲の環境(衣服だけではなく建物や街も含まれます)の知覚について思索するために、KOROMOSは写真や映像によるシリーズ作品「Perception of Space」を制作しています。しかし、空間を知覚することは、単に目で見て捉えることだけではありません。
ファッションに視覚的な審美性はもちろん重要ですが、新品の服の香りや洗いたての手触り、動くたびに擦れる音など、それらの感性的要素は環境と相互に関係しています。私たちが存在している「この空間」、あるいは服が形づくる「隙間」は、こうした情動によって形づくられているのです。そして、ファッションとしばしば近いものとして語られる建築も、スケールこそ違いますが、衣服のそれと同じようなものだと私たちは考えています。
2022.12.14
KOROMOS
(TEXT: ANSAI Shihoko)
SASE Kazuya
佐瀬 和也
KOROMOS主宰/ファッション・デザイナー
1985年、千葉県生まれ。ファッション・デザイナー。千葉県香取郡多古町の農家に生まれ、高校生の時からファッション・デザインを学ぶ。10代後半からモントリオール、ブリュッセル、ローマ、その他ヨーロッパの様々な国で生活をしながら、ファッション・デザインをすると同時に様々なプロジェクトを実施している。彼の服づくりの最大の特徴は、デザイン画を描かないことであり、パターン・メイキングのプロセスを重視している。実家の先祖は養蚕と機織りを家業としていたこと、父親が大工であること、そして農家であるというルーツから、彼にとって「衣食住」は生活の中心であり、それはKOROMOSの根源的な柱でもある。
ANAZAI Shihoko
KOROMOSディレクター/ファッション研究者(美学)
安齋 詩歩子
1990年、埼玉県生まれ。横浜国立大学修士課程修了。横浜国立大学非常勤教員、一般企業等での就労を経て、現在東京工業大学博士後期課程(伊藤亜紗研究室)に在籍。過去に、精神医学とファッションをテーマに、衣服と身体の親密性を研究するとともに、ファッションに関する著作の翻訳や論文等の文章を執筆し国内外の学会で発表を行ってきた。現在は衣服への触覚的な欲望と「ケアとしての衣服」の観点から、オルタナティヴなファッション研究の可能性を模索している。